護衛艦まつゆき艦上にて
一昨年7月27日に海上自衛隊舞基地で開催されたサマーフェスタ。舞基地所属の艦艇が一般公開され、まず自分が乗艦したのが護衛艦「まつゆき」でした。
前回から「まつゆき」の装備品を掲載しています。今回掲載するのは68式3連装短魚雷発射管HOS-301D。多くの護衛艦に搭載されているメジャーな装備品ですね。
68式3連装短魚雷発射管はアメリカ海軍が開発したMk32短魚雷発射管を日本でライセンス生産した物で、ライセンス生産は渡辺鉄工が行っています。
口径324mmの短魚雷発射管で、圧縮空気により短魚雷を射出する事で発射を行います。繊維強化プラスチック製の発射管は水密構造であるため短魚雷の格納庫も兼ねています。
Mk32はMk44短魚雷の実用化に合わせて開発された物で、アメリカ海軍では1959年に配備されました。その後登場した324mm径の短魚雷にも対応しています。
通常は艦首方向を向いていますが、使用時は後部のハンドルを回して外舷に向け魚雷を発射します。発射の操作は発射管側で行うようですね。
海上自衛隊ではうみたか型駆潜艇の3番艇以降、みずとり型駆潜艇の6番艇以降から採用されました。当初は輸入品を使用していましたが、1968年からライセンス生産が行われています。
68式3連装短魚雷発射管にはHOS-301という形式が与えられており、開発から年月が経っている為様々な派生型が登場しています。HOS-301A、B、C、Dの他にHOS-302、HOS-303などが存在しますね。
派生型では艦の戦闘システムから遠隔操作を行えるようになっており、その他新型魚雷に対応するため派生型が登場しています。
写真の様な3本の発射管を纏めた姿が有名で、海上自衛隊艦艇では右舷側に1・3・5番の番号が、左舷側に2・4・6番の番号が振られています。それぞれ3本纏めて右連管・左連管と呼ばれる事もあるようです。
なお諸外国海軍には発射管を1本減らしたタイプも使用されており、縦に重ねて外舷に向けて固定されたMk32がカナダ海軍のハリファックス級フリゲートなどに装備されています。
前後から撮影した右連管。
正面から撮影した左連管。
後方から撮影した左連管。
銘板。「まつゆき」の68式3連装短魚雷発射管はHOS-301Dで1990年5月改修となっていました。
発射の様子。
・・・以上、落射機って言葉にはロマンがある。鉄道員日記がお送りしました。