護衛艦まつゆき艦上にて
一昨年の7月27日に開催された舞地方隊サマーフェスタ。様々な艦艇が広報を行いましたが、まず最初に乗艦したのははつゆき型護衛艦9番艦「まつゆき」でした。
その「まつゆき」の装備品を続けて掲載しています。今回掲載するのは62口径76mm単装速射砲。はつゆき型の主砲であり、海上自衛隊が使用している艦砲の主流ですね。
62口径76mm単装速射砲はイタリアのオート・メラーラ社が開発した「コンパクト砲」の海上自衛隊での名称で、オート・メラーラ社ではMMIに続く第2世代の62口径76mm砲です。
コンパクト砲は小型の艦艇に搭載できる軽量さや高い発射・追尾速度、砲塔の無人化などを目標として開発が行われ、1964年に開発開始、1967年に開発完了、1969年から生産されています。
軽量かつ高性能と言うこともあって西側諸国の海軍でベストセラーとなり、大小様々な艦艇に搭載されています。1988年には発射速度を更に向上させたスーパー・ラピッド砲も登場しています。
日本では砲塔に球形のFRP製シールドを被せた姿が有名で、無人砲塔であるため通常は内部に人員は配置されませんが、非常時には砲側で射撃指揮を行うことが可能です。
弾倉と揚弾装置は砲塔直下の甲板下にあり、弾倉には即応弾80発を収容可能です。府仰角は-15度から+85度まで取ることができ、俯仰速度は毎秒35度、旋回速度は毎秒60度とかなり機敏な動きを見せてくれます。
発射速度は毎分85発。砲弾は通常弾の他に事前調整破片榴弾や半徹甲弾、射程延長型半徹甲弾などがあり、有効射程は通常弾で約16000m。
海上自衛隊では日本製鋼所でライセンス生産された物を使用しており、射撃指揮装置は81式射撃指揮装置2型を組み合わせています。護衛艦「むらくも」で試験搭載され、護衛艦「いしかり」で初めて実装備されました。
以降むらさめ型護衛艦までこの76mm砲が搭載されています。護衛艦の他にははやぶさ型ミサイル艇や訓練支援艦「くろべ」「てんりゅう」練習艦「かしま」掃海母艦「ぶんご」に搭載されています。
因みに米海軍でもオリバー・ハーザード・ペリー級ミサイルフリゲートやペガサス級ミサイル艇に搭載されていました。米海軍での名称はMk75。
後方から撮影した76mm砲。シールドの後方には整備用のハッチがあります。
砲身。砲身長は62口径(4.7m)で連続射撃時には過熱防止の為に水で冷却されます。
・・・以上、なんか書き慣れてきた。ぽっぽやがお送りしました。