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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上保安庁 よど型巡視艇 PC60「みのお」和歌山港

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和歌山港にて

和歌山港で撮影した海上保安庁のよど型巡視艇10番艇の「みのお」。和歌山港沖で行われた第5管区海上保安本部の展示訓練に参加するためにやって来ていました。

海上保安庁では阪神淡路大震災の教訓からはやなみ型巡視艇の後期型を災害対応機能強化型として建造し、次いではやなみ型の消防機能を強化したはまぐも型巡視艇を建造してきました。

よど型巡視艇ははまぐも型から更に消防機能を強化した巡視艇です。外見からも放水銃が複数設置されかなりの放水能力を持っている事が伺えますね。

よど型の船体は高張力鋼を使用し、上部構造物はアルミ合金製。主機関はディーゼルエンジン2基で推進器はウォータージェット2基となっています。機関出力は5200馬力で最大速力25ノット以上。

消防活動に従事する巡視艇の特徴として主機関の吸排気があり、吸気は消火活動中は防爆ラインより上の上部構造物から行われ、排気は十分に冷却されてから排出されます。

消防用装備として放水銃と粉末放射銃、自衛噴霧ノズルを装備しており、放水銃は伸縮式放水塔、操舵室上、船首甲板上に合計4基が装備されています。放水量は毎分16800リットル。

また新たな装備として赤外線捜索監視装置が搭載され、高温部の発見や監視に使用されています。ガス検知装置も装備していますね。消防用装備の制御は操舵室中央にある集中監視盤で行われます。

このよど型巡視艇は1番艇が2002年3月29日に就役し、その後4番艇まで建造されていました。その後東日本大震災を受けて6隻が追加建造され鹿島や四日市、室蘭などに配備されています。

写真のPC-60「みのお」は2013年3月29日に就役したよど型最終番艇で、大阪海上保安監部堺海上保安署に配備されています。名前の由来は「箕面の滝」から。

よど型は老朽化していたひりゆう型消防船やぬのびき型消防艇を置き換えています。この「みのお」もひりゆう型4番船の「なんりゆう」を置き換えるべく配備されました。

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正面から。

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サイドから。放水塔上の放水銃は毎分4400リットル、操舵室上の放水銃は毎分6000リットル、船首甲板上の放水銃は毎分2000リットルを放水可能で、何れも泡消火液・水兼用です。

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船橋周辺と放水塔。船橋横には津波などの警報・注意報を表示できる防災情報等表示装置が装備されていますね。放水塔は海面から17mまで伸ばすことが出来ます。

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展示訓練開始前、和歌山港から出港してきた「みのお」。

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後方からの撮影。複合艇も搭載されているのが見えます。

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ウォータージェットらしい大きな白波を立てて沖合へ向かう「みのお」。

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解りづらいですが放水展示を行っています。

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展示訓練終了後、和歌山港には入らずに堺へと帰っていく「みのお」。


・・・以上、哀れな「不死の王」よ。ぽっぽやがお送りしました。

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