潜水艦救難艦ちはや艦上にて
2014年8月8日に和歌山港で艦艇広報を行った海上自衛隊の潜水艦救難艦のASR-403 潜水艦救難艦「ちはや」。そのちはやの各種装備品を掲載しています。
今回掲載するのはNORA-1 スーパーバード衛星通信用アンテナ。これの単独の記事を書くのはかなり久しぶりですね。艦艇広報の際に撮影できる時は殆ど撮影しているのですが。
NORA-1はスーパーバード衛星を介した通信を行う為のアンテナで、写真の白いレドームの中にアンテナが収容されています。それぞれの死角をカバーするために必ず2基搭載されています。
スーパーバードはスカパーJSAT社が保有する静止衛星で、民間の様々な衛星通信に利用されています。スーパーバードの内3機が防衛省に対しデジタル衛星通信サービスを提供しています。
海上自衛隊では1990年から衛星洋上データ通信の運用を開始しました。使用周波数はXバンドで、このNORA-1もXバンド通信を行うアンテナとなっています。2000年にMOFシステムとも連接されました。
Xバンド通信は気候や通信局の移動による通信への影響が少なく、混信や干渉も少ないため妨害・諜報されにくいという特徴があります。
Xバンドを使用した通信は数十kbpsとされていますが、より大容量の通信を可能とするためKuバンドの使用も行われています。Kuバンド用アンテナとしてはNORQ-1がありますね。
艦艇としてNORA-1を初めて搭載したのはあさぎり型護衛艦5番艦の「はまぎり」で、それ以前に就役した艦艇にも順次搭載されています。また一部の艦にはNORA-1/NORQ-1の他に米軍の衛星通信に接続する為のAN/WSC-3やAN/USC-42が搭載されていますね。
ちはやでは上部構造物の左右の張り出しにこのNORA-1が搭載されています。
・・・以上、上の写真が左舷側で下が右舷。鉄道員日記がお送りしました。