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潜水艦救難艦ちはや艦上にて
2014年8月8日に和歌山港で艦艇広報を行った海上自衛隊の潜水艦救難艦ちはや。その装備品を撮影順に続けて掲載しています。
前回までは航海関連や救命装備など多くの艦艇に搭載されている装備を掲載してきましたが、今回は潜水艦救難艦特有の装備品ですね。ちはやの最重要装備と言えるかも知れません。
今回掲載するのはちはやの深海救難艇。海中で遭難し浮上できない状態となった潜水艦の乗員を救助するための救難艇です。こちらにも「ちはや」という名称が付けられていますね。
深海救難艇はDeep Submergence Rescue Vehicleの頭文字を取ってDSRVとも呼ばれ、潜水艦を運用する各国海軍には必ずと言っていいほど整備されていますね。NATOでは救難艇の共同利用体制が整えられています。
海上自衛隊では1975年に救難実験艇「ちひろ」を建造し、その後初の実用深海救難艇である「ちよだ」を母艦である潜水艦救難母艦「ちよだ」と共に1985年に就役させました。
写真の「ちはや」と「ちよだ」は同型ですが、母艦の格納方向が異なるため母艦を入れ換えることが出来ないため独立した艇ではなく母艦の搭載艇扱いとなっています。
このDSRVはチタン合金製の骨組とFRPの外板からなっており、内部は鋼鉄製の耐圧球を3つ並べた耐圧構造となっています。耐圧球はそれぞれ繋がっており、前方が操縦室、中央が救難室、後方が機械室です。
救難室の下部にはスカートがあり、このスカートが潜水艦のハッチと接続して救助される潜水艦乗員の通路となります。一度に収容できる人数は12名。
耐圧球の上部に動力源となる蓄電池があり、これにより後部の主推進器や操舵装置、各部スラスターを駆動します。蓄電池は酸化銀亜鉛電池が使用されており、DSRVには2個搭載されます。
通常の潜水艇であれば重い蓄電池は重心を下げるために下部に搭載されていますが、DSRVでは傾いた潜水艦に対応する必要があり、船体角度を調整しやすくするために蓄電池を上部に搭載しています。
遭難した潜水艦もしくは母艦にたどり着くために船体各部にソナーとカメラが取り付けられており、また水中作業も可能なようにスカートの前方にマニピュレータが装備されています。
このDSRV「ちはや」は全長12.4mで全幅は3.2m、排水量は約40t、水中速力は4kt、乗員は2名です。母艦のちはやは船体中央に開口部がありそこからDSRVが発着します。
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後方から撮影したDSRV。白い発着架台ごと海中に沈められ、そこから発進します。
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真後ろから。プロペラと円形の舵であるシュラウドリング。
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主推進器であるスクリュープロペラ。これだけでもかなりの大きさですね。
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船体後部。シュラウドリングの前方には上下にスラスターが装備されています。高速または長距離で移動する際はスクリュープロペラとシュラウドリングを使用し、低速の微妙な位置調整はスラスターで行います。
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前方のサイドスラスター。前後に水平・垂直スラスターがあるので合計4つとなりますね。
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蓄電池。これはDSRV格納庫上部の電池室で撮影したもので、通常は電解液を注入していない状態で保管されています。使用時は電解液を注入し充電してDSRVに搭載するようですね。
約1.3tの重量があり、保管状態の寿命は4年、注液後の寿命は1年半です。この蓄電池によりDSRVは連続5時間の活動を行うことが出来ます。充電時間は約20時間。
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「ちはや」の船名表記。船体は白色ですが、上部はオレンジと白の縞模様となっています。
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DSRVと救難任務の説明書き。DSRV配置図は大きく拡大してご覧ください。
・・・・以上、母艦側面からの進出もできるとか。ぽっぽやがお送りしました。